「大娼婦」と「ベテル」の正体
エホバの証人は啓示の書の中の淫行を繰り返す「大娼婦」のことを「キリスト教世界」と考えているようですがこれは間違いでしょう。
もともと聖書の中で「淫行を繰り返す女」と言えば、それは決まって古代イスラエル国民のことを指しているからです。
聖書全体を貫いている「神と国民とのドロドロした因縁関係」をしっかり把握していれば、啓示の書で神が言及している「大娼婦」の正体についてあれこれと頭を悩ませる必要はないはずです。
分かりやすい例が、エレミヤ書とエゼキエル書でしょう。エレミヤ書であれば2章から4章、エゼキエル書であれば16章あたりが分かりやすいと思います。
「売春婦」「姦婦」「淫行を犯した」「契約を破った」という表現が幾たびも古代イスラエルに対して繰り返され、その甚だしい売春行為が生々しく糾弾されています。確認してみて下さい。
そもそも、神が過去に協力の契約を結んでいたのは古代イスラエル国家とであり、現代のキリスト教世界とではありませんでした。
神は現代のキリスト教世界とはなんの協力体制も敷いてませんし契約も結んでない。そもそも契約を結んでないのですから神に対して姦淫もクソもありません(エゼキエル 16:8)。
さらに言うならば、ヘブライ語聖書でもギリシャ語聖書でも神が目を向けておられるのはもっぱら古代イスラエル国民か諸国民たちです。
神からしたら「キリスト教世界」という現代人が自分たちの便宜のために作り上げた枠組みなど無きに等しいでしょう。
「ベテル」について
さらに、エホバの証人が使い方を間違えているもう一つの表現として「ベテル」という言葉があります。
エホバの証人たちは「ベテル」という名称を大変ありがたがり「神の家という意味があるから」という理由で、本部と世界各地にある支部のことを「ベテル」と呼んでいます。
しかしながらヘブライ語聖書の中で「ベテル」と言えば、それはイスラエル王国の分裂後に偽りの崇拝の中心地となった非常に縁起の悪い場所のことでした。
自分たちの建物に「ベテル」という不吉な名称をつけた当時の指導的な兄弟たちは一体何を考えていたのでしょうか。
ただ、洞察の本には「ベテル」の意味がしっかりと記述されていましたので、参考のために該当箇所を引用しておきましょう。
かつてはまことの神が啓示をお与えになった場所として際立っていたベテルも、ヤラベアムの治める北王国の主要都市となってからは、偽りの崇拝の中心地として知られるようになりました。・・レビ族ではない部族から選び出された祭司たちを擁するベテルは、真の崇拝からの大それた背教の象徴となりました。
聖書に対する洞察Ⅱ p719
そうです。「ベテル」とは真の崇拝からの大それた背教の象徴なのです。
今日も海老名市にある「背教の象徴」の中で、統治体に騙された可哀想なクリスチャンたちが身を粉にして働いている事でしょう。